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うつ病の養生法

うつ病の治療で重要なのは、まず診断です。
憂うつな気分が続き、興味や喜びが喪 失するうつ状態を示す病気は、適応障害、双極性障害、気分変調症、認知症など、うつ病以外にもたくさんあります。
それぞれ治療法が異なり、心療内科や精神科の専門医を受診する事が大切です

うつ病はいわゆる「こころの病気」ではなく、脳の働きの不調によって起こる「脳の病気」です。
脳の不調を正常化する抗うつ剤を主とした薬物療法が治療の中心とな ります。
医師の指導に従い、毎日きちんと服薬しましょう。

さて、うつ病を良くするため「治療」と共に大切にしたい事に「養生」があります。
養生とは、人には心身の健康を取り戻そうとする回復力があり、それを促すように生活に取り組む事です。
脳の回復を促すうつ病 の養生法をまとめました。

1) 休息と活動のバランス

うつ病には、
@急性期:どん底の時期
A回復期前期:うつの辛さが緩和する時期
B回復期後期:意欲が戻り始める時期
という3つの病期があります。

@急性期にはひたすら脳を休ませる事が大切です。
睡眠を十分にとり、ゆったりのんびりだらだらと過ごしましょう。

A回復期前期では、まだ休養中心ですが、少し調子の良い日が出てきたら、軽く活動してみましょう。
実験的な態度でやってみて、気持ちがいい、ちょっと楽しいと感じる活動を見つけ、少しずつ増やしていきしょう。
この時期は調子の良い日と悪い日の波があり、臨機応変に休息と活動のバランスを調整することが大切です。
計画的にはせず、調整は疲労感を目安にし、疲れたと感じたら途中でも止めましょう。
「〜しなければならない」と義務感で動くのではなく、
かすかな「〜したい」という意欲の赤ちゃんを見つけて、大事に育てていく感じです。

B回復期後期には、まず、生活のリズムを作っていく事が重要です。
起床時間を元の生活に戻して夜は早めに休みましょう。
散歩などの軽い運動はうつ病の改善にとても役立ちます。
無理をせず楽しい気持ちでやれる範囲でしましょう。
寝る前のストレッチは眠りを深くします。
さらに回復してきたら、1週間のゆるいスケジュール表を作りましょう。
出勤するつもりで図書館に通うのも良い方法です。
読書は認知機能の改善にも役立ちます。
ただ、スマホやネット、ゲームには注意が必要です。依存性があり、やり過ぎると、脳を疲労させ、生活が乱れ、うつ病を長引かせる原因になります。時間を決めて、管理しましょう。

2) ネガティブな考えへの対処

 うつ病では後悔、悲観、自己否定などのネガティブな考えが繰り返し、繰り返し頭に浮かびます。
この考えがさらに気分を落ち込ませ、回復の妨げになります。
一見自分の考えの様でも、うつ病が生み出す「うつ色」に染まった考え=単なるうつの症状として受けとめましょう。
その考えがいくら深刻で重要に見えても、内容に取り組まず、判断せず、そのまま手放しましょう。
さらさらと流れる小川のような心で、執着せずどんどんネガティブな考えを手放しましょう。
ひたすらそうしていると、自己否定の奥にある「より良く生きたい」という本当の欲求が心の川底にうっすら見えてくるでしょう。

 養生とは生を養うこと。
生の発露としての自然な欲求を回復させ、生きる力を取り 戻しましょう。

更年期障害にひそむ「仮面うつ病」

52歳のAさん。51歳で閉経後、微熱が時々あり、体が重く、だるさが続くようになりました。
めまいや、のぼせ感にも悩まされ、婦人科を受診しました。
更年期障害の診断で女性ホルモン剤と漢方薬で治療を続けましたが、半年しても良くなりませんでした。
食欲もなくなり、内科で血液検査や内視鏡で調べても、異常は見つかりませんでした。
そのうち眠れなくなり、些細なことでイライラする様になったため、心療内科を受診しました。

Aさんにとって意外だったのは、「仮面うつ病」と診断された事でした。
不眠や、イライラはあっても、少しやる気がしないだけで、気分の落ち込みはあまりなく、うつ病とは思ってもみませんでした。
しかし、実際に、抗うつ剤を服用し、治療を続けていくと、食欲がもどり、眠れるようになりました。
そのうち、めまい感もなくなり、薄皮をはがすように、体のだるさがとれていきました。
微熱もなくなり、3ヶ月も経つとほぼ元の体調にもどり、家事も調子よくできるようになりました。

日本人女性の平均閉経年齢は49.5歳。個人差が大きく42歳から56歳くらいまで幅があります。
閉経の前後5年間を更年期と呼びます。
この間、女性ホルモンをつくる卵巣の働きは著しく低下し、30代には平均15gあった卵巣は50代には5gにまで減少し、女性ホルモンは10分の1以下になります。
この女性ホルモンの急激な減少とそれに伴う自律神経の失調が、体への大きな負担となります。
さらに、更年期は、子どもが自立し、家庭にひとり取り残される「空の巣症候群」や、夫が定年になり生活が密着し、拘束感などによる「夫在宅ストレス」、近親者の「介護ストレス」など、様々なストレスを抱えやすく、精神的な負担が大きくなる時期です。 これらの心身両方の負担が絡み、更年期症状を引き起こします。

更年期障害の治療は、@血管運動症状(冷えのぼせや発汗など)が中心なら、まず婦人科への受診をお勧めします。
しかし、Aさんの様になかなか良くならない方やB精神症状の強い方は、一度、心療内科にご相談ください。
  特にうつ病であった場合、抗うつ剤による薬物療法や女性のライフサイクル、更年期への十分な理解に基づく精神療法が大切です。

パニック障害と闘う七ヶ条

 パニック障害とは、ある日突然、動悸や呼吸困難、胸の痛み、震え、吐き気、気が遠くなるなどの発作が起こり、激しい不安に襲われる病気です。
通常発作は数十分で収まります。
 しかし、その不安のあまりの強烈さのため、また発作が起きるのではないかと恐れる予期不安となり、苦手な場所や状況ができることも多く、例えば電車の中や車の渋滞、人混みなどに入れなくなり、生活の大きな支障となります。  まず心療内科で正確な診断を受け、薬物療法など適切な治療を受けましょう。
 その上で、ご自身でできる工夫を挙げてみました。

【自律神経系を安定させる】

@カフェインを控える。(これがけっこう重要)

A規則正しい生活を心掛ける。過労、睡眠不足は発作のもと。

B予定を詰め込みすぎず、できるだけ何事も余裕を持つこと。

Cウォーキングなど軽い運動をしましょう。

D「パニック防止呼吸法」を身につける。
 3秒間でゆったり浅く息を吸って、3秒間でゆったり息を吐く。
 深い息をしすぎないことが大切。
 この6秒間呼吸(一分で10回の呼吸)を毎日練習しましょう。

【不安への対処を練習】

E軽い不安なら、お茶を飲む、音楽を聴く、景色を眺めるなど、体の外へ注意を拡散させる。

F少しの兆候から、発作が起きたらどうしようと考え、最悪の事態を想像し、逆に自分を発作に追い込んでしまいます。
 この自動的に浮かぶ考えや想像こそが、不安と恐怖を膨らまし、発作を誘発する真犯人であることに気づきましょう。
 「どうしよう」ではなく、「どうにかなる。時間さえたてば、必ず不安は消える」
と考えを置き換え、悪い想像をストップさせましょう。

心療内科 iーこころの診療室
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